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2000年の猫

2000年はまだ20世紀。10年前か。信じられない速度。
片手に乗るほどだった猫はもう少し成長してちょこまか動くようになってきた。
とめは友好的で活発、みっけは一言も口をきかず飼い主にもなれない。とはいえ居心地は良さそうで、主に一人で楽しむかとめを相手に寛いでいる。

この年の春には決断して去勢。これでずっとこいつらは子猫の魂のまま生きることとなった。
手術が下手だったせいか、この後月日が経つと手術をしたお腹当たりの皮がたるんでだらりと垂れ下がり、お腹が出ているように見えるようになった。

2000年の後半にはさらに成長し、幸せ度もかなりアップしているご様子。

もうこいつらにとって我が家が人生の全て。人がいると隠れるみっけも、私の前ではでれんでれんに寛げるまでに至った。

みっけは時々、ベロをしまい忘れて眠ることがある。なんとも無防備でだらしない寝姿。心の底から安心している証拠だ。
この写真を見つけて驚いた。
みっけの最期の姿と寸分違わぬ写真。10年後、この姿勢、この顔、この半開きの口で事切れていた。ベロは出ていなかったけど。
やはりただ眠っただけだ。本人も、ただ眠っただけのつもりだったに違いない。