三度の笛

5 煩悩即菩提

「と、そういうわけでな、アマリリスの精霊とわしの、長い長い物語はこれで終わりなのじゃ」
 二人の猫と一人の妻にすべてを語り終え、私はパイプをふかした。
 クリスマスの飾りと暖炉の火が4人を照らした。とめが手からご飯を食べ、みっけが椅子を奪って寝そべった。
「引っ越しも落ち着いたし、アリスさん、お呼びしたいなあ」妻が言った。
「しかし、もう三度めの笛を吹いてしまったのだ」溜息と共に答える。窓の外に雪がちらついた。
「ほんなら、電話したらええやん」みっけが面倒臭そうに言った。
 日が昇り、春の日差しが差し込んだ。
 とめがにゃーと鳴いた。

 その後、アリスに電話してみんなで一緒に遊んだり対バンしたりした。